優勝に懸ける想い -vol.14-

井戸 杏香 (#37 DF)

棚の上の商品を代わりに取ってーと言ってくるほど小さいけど、試合に出れば誰よりもたくさん動いてGBを掻っ攫う、存在感の大きならんからバトンを受け取りました、#37 DF井戸杏香(きょうか)です。

 

らんはFreshmenの時から本当に上手で、早々に上のチームに行ったかと思えば、Vリーグ、準リーグ、さらには早慶戦メンバーにも2年生で選ばれて、同じ初心者として誇りに思いながら追いつきたいなと思った同期でもあります。(あまり言うと調子に乗りそうなのでここら辺にしとこう)

 

でも実際に同じチームとして関わる時間が増えると隠れた一面が見えてきて、らん変態説が出てきたり、やたらと人の顔に小さな手を被せてきたり、院試勉強を並行させて合格したり、真剣に臨むからこその憤りだったり、同期の彼氏たちに電話しては挨拶回りをしたり、多分まだいっぱい知らない顔がありますね。

 

らんが練習にいてくれるだけで自分には無い高いスキルを学べて、たくさん笑えて実は嬉しかったなんてこと、最後だから言っときます。

 

なんでそんな知ってんのってぐらいマイナーなネタに気づいてくれて2人で勝手にツボっている瞬間が、最高に楽しかったよ。ブルーノのあの曲ネタ知ってんのも、あのドラマのフレーズ歌ったら加わってくんのも多分らんだけ

あ、ちなみに今日は眉毛を整えました。前髪は何もしてないから、聞かないでね

 

次いつ会うか分かんないけど、なんて散々言ってたけど、本当にらんがいてくれて良かったしこれからもちゃんと会おうね。

裁判沙汰になったらその時は頼むよ

 

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さて、いよいよ本題に。

ようやくかよって思った同期、私も思いました。

話が長いでお馴染みの私なので、まとまりのない文章かもしれませんが、よければ最後までお付き合いください。(「っ」で邪魔しないでね、りさこ笑)

言葉にしてこなかったけど、自分の頭の中で考えてきたことを精一杯書ければなと思います。

 

 

“優勝に懸ける想い”

 

 

正直なところ、過去3年間は「他の人に語れるほど熱い思いなんてないし、書きたい人だけ書けばいいじゃん」とまで思っていたこのテーマ。

なぜなら全部自分とは関わりのないところで起きている試合だと思っていたから。優勝に関わるなんてことは自分にはまだ早いし、その層にいるわけでもないし、できることなんてないと思っていたから。

頑張っている人がいるのに部の一員として最低だなと思いながらもどこか他人事で。

 

だから最後の年こそは、自分の関わるリーグ戦にどんな想いを持っているのかなんてことを語って、まだまだ続く練習にもっと力を入れようと考えていた矢先ー

 

残暑という言葉がお似合いなほど暑い9月の初旬に、私の4年間のラクロス人生はぷつりと終わりを告げた。

思い描いていた最後とは違っていて、ずっと夢の中にいるみたいな感覚。

 

ようやく現実なんだと実感させられたのは、

「25日のチーム分けから、名前が無くなります」

という幹部からのLINEだった。

 

思えばこの4年間、2週間毎に送られてくるたった1通のチーム分け連絡に左右されてきた日々だったな、そしてやっぱり私ってまだまだ視野が狭いなと気付かされた瞬間でもあった。

 

そう思う理由というか、これまでの私について少し言うと、私は常に目の前の小さな目標ばかりを見つけては、そこを先に越していく人を羨み、到達できない自分を自分で追い込み、その悔しさで自分を伸ばすことも出来れば、反対に潰し、チャンスを逃してきたのだ。

 

 

ー1年生

オンライン上での練習を乗り越えて初めて同期たちと対面で会って、雨上がりのぐちゃぐちゃの丸子でライングラボをやるだけでただ楽しかった数ヶ月。

 

だけど徐々に同じ初心者なのに上のチームに参加する同期が出てきて、Freshmenのリストに並ぶ人数が減っていって。なんでスタートライン同じなのに、こんなにやってるのに。そんなことばっかり考えながらひたすらに練習を重ねていた。

 

シーズンが終わる、そんな時にサブチームに滑り込み、初めて出場した3校戦。4Qのラスト1分程でサークルに立ち、ただ相手チームのベンチ前で盛大に転んだ。(ここは笑うところ)

同時期に上がった1人の同期と、何も出来なかったねと周りが引くほど泣きじゃくった。

 

ー2年生

キックオフMTGでDevelopmentチームが出来るという話を聞いていた。自分はもう上に上がったから関係ないのかなと思いつつ、また何も出来ないままサブチームで1年間を過ごすのかなというジレンマに勝手に陥っていた。が、そんな心配は必要なかった。

 

育成の先輩方から話があると、自主練先のグラウンドの柱にもたれかかって受けたzoomで聞いたのは「Developmentチームとして頑張ってほしい」という言葉だった。どこかホッとした自分、新人戦幹部を任せてもらったにも関わらずこんな実力の無い私がなっていいのかなという不安な自分と、もうラクロス嫌だなという弱気な自分とがいた。

 

だけどどうせならこのチームで1番になるぐらい上手くなってやろう、と決心しチームのリーダーにも率先して手を挙げたし、それまで以上に自主練も繰り返した。

 

でも現実では一向にチームを上がることはできないし、基礎メニューを繰り返すだけの毎日だし、極めつけには同じデベの同期がVリーグに出て、準リーグのベンチメンバーにも選ばれていたという話を耳にして、もう何をしていいかが本格的に分からなくなった。

 

ただ最後の試合で、思うがままにボールに向かい、ゴールを目指しシュートを決めに行った瞬間。久しぶりに、もっとラクロスをしたい、楽しいわと思った。初めて自分の強みが分かったような気がした。

 

ー3年生

チーム分けのメールによくわからない「Vtm」という文字。そこに振り分けられていた私。

Reserveチームでありながら、練習ではVarsityチームに参加し、土日は呼ばれた方に向かう。

本当に都合の良い女たちを演じていたね、tmの仲間たち。(各方面にごめんなさい)

 

ただ去年まで同期しかいないデベでもがいていた私にとって、神様とまで思っていた先輩方と一緒に練習をする場にいるなんて想像も付かなかったし、そこで練習をさせてもらえることが何よりも嬉しかった。

 

1年生の時みたいにただ練習するだけじゃダメだと思い、丸子までの電車で何かに脅かされているかのようにひたすら練習の動画を見て、練習して怒られて、帰りも動画を見て、を繰り返した。

 

tmからバーシに上がり、早慶戦のメンバーに入り、4Qの20秒くらいだけ出て、その後のリーグ戦予選にも出て、よしもっと頑張ろうと思っていた9月。

 

Reserveチームのリストに私の名前があった。

 

ああまたか。また自分の努力が足りなくて落ちた。代わりにバーシに行った同期を見て、また羨んだ。本気で応援できない自分の性格の悪さに嫌気が差した。

 

だけどこの目でチームが優勝を勝ち取る姿を見て、来年こそは自分が同じ場所に立ってやると強く思った。

 

ー4年生

バーシの一員としてラストシーズンがスタートした。が、自分の強みが分からなくなり、本当に私はバーシにいていい存在なのかと思う日々。

 

ある練習試合でMDのセットで呼ばれず、これは終わったと思った瞬間、DFの交代で投入された。

そして気づけば私はDFになっていた。4年の4月でポジション転向は、私に最後に残されたチャンスだと思った。

 

ただ新しいポジションになってまた学ぶことが増えて、少しでも上手くいくとそれだけでもっと頑張ろうと思う感覚が、1年生ぶりに舞い戻ってきたような気がして毎日の練習が楽しくなった。

 

気づけば2度目の早慶戦で、思うような動きが出来ず悔しかったが、リーグ戦ではもっと強くなって活躍してやるぞの気持ちの方が強かった。

これは多分自分たちの最後の代として絶対に日本一になりたいという気持ちがあったから、そこに自分も貢献したいという気持ちがあったから。

 

成蹊戦、青学戦と続き迎えた明治戦。

初めて公式戦でインターして個人的には嬉しくて、だけどそんな気持ちはすぐにどっかに行ってふと電光掲示板を見たら7-7で同点。試合が終わっていた。

 

そしてチーム分けのメールにはバーシは10人しかいなくて、私はVtmに戻っていた。また自分は自惚れてたんだと気付かされ、その頃は自分の脚の怪我も言い訳にして、どんどん自滅していっていた。常に心がザワザワして、焦って、発する言葉が全てマイナスで、笑えなくて、周りと同じモチベーションでいない自分をどうしていいか分からない。申し訳なさでいっぱいだった。

 

そんな時にずっと大丈夫だし、あんたは上手いからと自信を付けてくれてたのはデベの頃から一緒に頑張ってきた声のうるさい同期だった。自分はこんな時に何やってんだと気付かされ、そんなこんなでリーグ戦最終戦の中央戦の日を迎えた。

 

だけどこれまでやってきたHFDの動きは全く使えなかった。ただボールを持つ相手に突撃してはボールを回され、ひたすらに喰らいつくだけの数分。また気づけばぼんやりと聞こえるホイッスルの中で倒れ込む同期、泣き崩れるメンバー。その中で私はただ茫然と、これまでのラクロス人生で全力でやってこなかったシーンを思い出していた。

 

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自分でも呆れるほど長すぎてここまで読んでくれている人は少ないと思うが、これが私の4年間の頭の中のハイライトだ。つくづく自分のことしか考えられていないし、同じような失敗の繰り返しだし、メンタルが弱いし、周りの出来事に振られすぎだしで、恥ずかしい、申し訳ない。

 

だが、確実に学べたことはある。

 

人と比べるな

環境のせいにするな

 

私は多分、そうすることで保険にかけてきたんだと思う。人と比べれば簡単に目標が作れるし、環境のせいにしてればチャンスがないんだもんと逃げ場が作れる。逆にその人を抜かせれば、環境を抜け出せれば自分頑張ったじゃんと思える。

そんな小さなゴールを積み立ててクリアすることは簡単なんだ。

 

ただそれでは今何のために頑張っているの?と聞かれたら答えられない。その小さなゴールでさえ越えられないと思った瞬間、自分の弱さに気付かされる。褒められてもそんなことないよ、だって他の人はもっとできてるもんと自分のことを素直に認められない。

 

だから常に自分がどうなりたいのか、どう成長したいのかを軸に考えられる人間になりたいなと思うし、なって欲しいなと思う。自分で自分に指標を向けて考え続けることは難しいけど、それを続けてさえいれば結果として目に見える形に現れ、人に認められた時に自信に繋がるんじゃないかなと。

 

この考えをずっと持ち続けてきた人も周りにいるし、指摘されたことも何度もあったけど、自分とは考えが違うしな、これが私だしなと結局変えきれずに終わってしまった。なので、このブログを読む人の1人にでも刺されば、変わるきっかけになればと思うので、私も同期に言われたように、そこのあなたに、、

 

思っているよりも自分はすごい!だから自信持ってね!

 

お前が何言ってんねん、と思ったけどそれもまたマイナス発言なので黙っとこう。とりあえず、自信が自分を強くするってことは確実なので心の端っこにでも留めておいてほしいな

 

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と、ここまでまた長くなりましたが説教くさいことは向いてないし、みんなも飽きていると思うのでメッセージを残して終わろうと思います。

 

両親へ

わざわざアメブロまで飛んでこの文章を読んでいるとは思わないけど、中学校のバレー部時代から10年間、部活生活を支えてきてくれてありがとう。くっさい靴下に鼻を摘みながら毎日洗濯してくれてありがとうママ。練習相手になろうと、GBのボール出ししたり、素手で私のパスをキャッチしてくれてありがとうパパ。しれっと試合を観に来てるのを観た時は何してんねんと思ったけど、内心ではちょっと良いところ見せよう頑張ろうと活力になりました。

 

コーチへ

たくさん教えてもらいました。貴一さんは人の失敗とかを小馬鹿にしてくる時もあるし、古傷を抉ってくる時もあるけど、私がtmとかチーム変動に悩まされている時に久しぶりに会うといつも、下手な慰めをしてくれました。ただそんな小さな心のモヤに気づいて声を掛けてくれるだけで救われていました、ありがとうございます。

大久保さんはこのラクロス部で何人もの女の子を泣かせてきたのではないでしょうか。そんなことを言うと怒られそうだけど、最後だからいいです。私もチーム分けとか出場時間とかで何度も泳がされてきて、理由を聞きにいったらその都度喩えを交えてふんわりと返してきて。だけどちゃんと個人を見ていて、自分で自分のことを考えるきっかけを与えてくれました。ありがとうございます。

 

同期へ

長えなと思ってるんじゃないだろうね。ちゃんと読んでくれてるよね。私は自分で全チームを股に掛けた女だと思ってるから、その分同期全員とたくさんの時間を過ごしたと自負しています。普段別のチームで活動してても、たまーに集まれば固まって盛り上がれる、そんな陰キャ集団が大好きだ。デベのみんな、よく耐えた、よく頑張ったよな。みんなが各方面で活躍してるのを見て本当に誇らしい。最高のデベ初代だと語り継いでもらおう。全然スキルも足りてないのに同じチームとして真剣に向き合ってくれたバーシのみんな、ありがとう。みんなが真剣だからこそぶつかって、ぶつかりすぎてピリピリな時もあったけど、一緒に戦うことができて良かったです。

 

後輩へ

こんなこと残せるようなキャラではないけど、本当に一人一人が何かの強みを持つ最高なラクロッサーだと思います。だから自分の今の立場だったりを理由に弱気になったりしないでほしいです。100%を常になんてことは無理だけど、やると決めて全力でやったことは今すぐじゃなくてもきっと返ってきます。特にデベで奮闘してる2年生。ぜーったいに諦めちゃだめだし、その場に慣れてとどまっちゃだめ。まだ練習は続くし、最後の試合もあるからその後にもっと気持ちは伝えるけど、今やっていることは必ず残りの2年間を支えるから。

 

 

ラクロスって団体競技のくせに、個人競技みたいな一人一人の戦いでもある、なんて過酷な部活なんだと思わされた4年間だったけど、4年前の決断を後悔はしてません。

高校3年生の3月にさらっと誘われて一緒にパスキャして楽しくて(今そのときの動画見ると馬鹿みたいなクレードルしておもろい)、そこから気づけばもう引退。他の大学生が過ごしてないような、濃すぎる4年間でした。

今からラクロス部に入部して4年間やる?と言われたらそれはもう懲り懲りだけど、確実にラクロスという競技に出会えて、捧げられて良かった。ありがとうラクロス、またな

 

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次は最近のその髪型大好き!な#10じぇーです。

 

じぇーとは同じポジションになってからさらに深く関わるようになったと思います。それまでのイメージはごめんだけど本当にベーグル笑

 

嘘です。じぇーは1年生の時からトップチームで頑張っていてわあ敵わねえやと思っていた同期の1人です。そんなじぇーと一緒にDFについて考えられるようになるにはまだまだ時間が足りませんでしたが、私の意味不明な行動にもアドバイスをくれて、叫んでくれて、本当にありがとう。春幹部から始まってバーシの幹部なんて大役を引き受けて、全うしてくれて、感謝しかないし、私の知らないところで何度ミーティングを重ねてくれたんだろうと思うと、それまた感謝しかないです。真面目な話は置いといて

 

じぇーは私のしょうもないボケにずっとツボってくれるとっても優しい女。使ってるボディクリームがいい匂いすぎる女。私がなりたい脚第1位に君臨する女。私とお揃いのTシャツと帽子をアメリカでゲットしてペアルックになってしまった女。最近自分でピアスを追加でこじ開けてしまうワイルドな女。

いろんな一面を持つ女です。多分こんな変な紹介も見て、今頃大爆笑してくれてるぐらいゲラな女のじぇーにバトンを繋ぎます。

 

じぇーお揃い着ような

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