恵まれた体格を活かした強気なプレーでチームに流れを引き寄せる。それが日野美咲の持ち味だ。初心者として入部した彼女は、誰にも負けない練習量で1年生から準リーグVリーグで頭角を現すと、今季は六大学戦で全試合出場を果たした。スタメンとして、ドロワーとしてチームに貢献することができるか。2年目の背中にかかる期待は大きい。
中学・高校とバスケットボール部に所属していた日野。青春の6年間を注いできたが、引退する頃にはバスケットプレーヤーとしての限界を感じていたという。そんな日野がラクロスと出会ったのは、バスケ部を引退してからしばらく経った高校3年生の秋。女子高ラクロス部に所属していた清水珠理の自主練習に付き合っていると、自然とラクロスにのめりこんだ。その時点ではラクロス部に入ることは考えていなかったという日野だが、大学に進学すると、日本一を目指しているというラクロス部の志の高さに惹かれて入部を決意した。
初心者として入部した日野は、みんなと同じ練習量では伸びも同じで追いつけないと考え、チーム練習が終わると、同じ初心者の1年生を誘い居残り練習を行なった。練習が終わるとまた練習というハードワークが実を結び、1年生ながら準リーグ・Vリーグでは多くの出場機会を得た。技術面で経験者に劣っている分、“自分が部員の中で一番練習している”と自負することで、自信を持ってグラウンドに立てたという。
ラクロス歴2年目を迎える彼女が目標とする選手は、昨年引退した白子未祐。同じ高身長ドロワーで中高はバスケ部と共通点も多い大先輩の、ワンプレーで試合の流れを変えるプレースタイルに憧れた。今季はそんな大先輩が得意としていた、ドローで自らボールを獲得し敵陣にアタックを仕掛ける動きを習得中だという。この動きを試合で発揮できるようになれば、ただでさえ強力な慶大オフェンスにさらに厚みが出ることは間違いないだろう。
入部して以来、「今はできないけどいつかできる。できない=伸びしろ」という思考で常に努力を重ねてきた。新しいことに挑戦することを恐れないのは、初心者ならではの大きな強みだ。来たる早慶戦に向けての意気込みは「スタメンとして試合に出て、チームに貢献すること」。向上心を忘れず努力を重ねるSophomoreの開花は、すぐそこまで迫っている。
(→#59 日野 美咲)
(慶應スポーツ新聞会 内田貴啓)