2年生にしてすでに主力の風格。ゲームメーカー清水珠理が抱く危機感。

昨年の夏、清水珠理はサブチームで練習を行なっていた。「メンバーだけ見ても自分とは格が違うし、実力も全然追いついていなかった。」その冬には日本でただ一人となる”日本一の1年生”となったが、この時はサブチームの練習にもいっぱいいっぱいの様子だった。

9月中旬、ブロック戦の東海大との試合が終わった後、急に電話が鳴った。相手は昨年の主将の出原佳代子。「トップチームへの昇格と早稲田戦の出場を告げられた。本当に衝撃的だった。」ブロック最終戦となる早稲田戦は4年生の引退もかかった大一番。その試合では初出場も果たした。「緊張していてボールが来ないでと思っていた。」一度だけパスが回ってきたが、しっかりと前線の選手に繋いだ。

この試合以降トップチームのメンバーとして定着。清水自身も「緊張はあったけれど楽しみだった。」と大一番である関東FINAL4,FINALでは物怖じせずにプレーを果たし、シュートシーンも演出した。12月の全日本選手権決勝でも途中から出場。「上の空で当日を迎えた。試合中の記憶はない。」ビハインドの展開に焦りも感じたが、先輩たちの表情を見て落ち着きを取り戻したという。大逆転でつかんだ日本一に1年生ながら貢献した。

年が明けて始まった新チーム。清水は大久保HCにこう告げられた。「今年はゲームメイクをして欲しい。」しかもその役割をともに担うのが、清水が目標とする存在の4年生の伊藤香奈だった。「最初は何言ってるんだろうとも思った。自分とかなさんで並んでゲームを作るのが想像できなかった。」尊敬する先輩とともにチームの柱となることに驚きを隠せなかった。

ただ、春先に伊藤が怪我で戦線を離脱。そのときにある気づきがあった。「自分がやらなきゃいけない場面でようやく自分はチームを作る人なんだと気づいた。」チームを勝たせるためにどうやってゲームを作っていくか。頼れる先輩は同じピッチにはいない。1人になったときにようやく今季の自分の役割が分かった。

この時の活躍が伊藤にも刺激を与えた。「『かなさんが焦っている』という話を大久保HCから聞いて、これがチームに刺激を与えるということなんだと思った。」ポジションとしてはライバルだがお互いに信頼しあっている。そしていずれは超えてないといけない先輩であるとも自覚している。

清水に2年連続の日本一を取るために必要なことについて聞くと「下級生の底上げが急務。4年生に頼っている状態だからそこを変えないといけない。」と話した。今季の慶應のスタメンを見ると、4年生が8人を占めている。昨年日本一を経験した4年生がそのままスタメンを取るチームと見るか、下級生の突き上げが足りないと見るかは人それぞれだが、清水はこの状況に大きな危機感を抱いていた。

「ただ練習を消化するんじゃなくて、得られるものを得にいって貪欲に練習に参加する必要がある。」1学年の力だけでは日本一をつかめないことは昨年証明されていた。それを近い立場で経験していたからこそ、チーム内の競争は必要不可欠だと思っている。学年こそまだ2年生だが、清水の言葉一つ一つに主力としての風格を感じた。

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